ポイズン?ベノム?毒にもいろいろあるらしい。話題の「毒」特別展へ
一部の子どもから熱狂的な支持を得ている「国立科学博物館」。恐竜の骨格標本やさまざまな剥製など、いつ行ってもワクワクする常設展はもちろん、年に数回開催される特別展は毎回斬新なテーマで意表を突かれます。
行きたいと思ったら即日ネット予約を!
現在開催している特別展は「毒」。小3の息子に話したら予想通り「え、絶対行きたい!」と、即答でした。
早速今週末でも行きましょうかね、とネット予約を取ろうとしたら、直近の週末は全時間帯満員で予約不可。次の週は学校行事だから行けないし、再来週の予定は未定…とモタモタして予約をしそびれているとあっという間に週末の午前〜昼ごろの時間帯は埋まって行きます。
「毒」にこんなに引きがあるなんて、母さん知らなかった…。
結局、11月中ば頃にようやくARTPASS(美術館や博物館等の予約サイト)で12月最初の土曜日の予約枠を押さえることができました。このARTPASS、とても使い勝手が良いので前から気に入っていたのですが、日時変更が1回限りOKであることを今回知りました。これなら、とりあえず予約しておいて、後から変更もできるので子どもの予定に振り回されがちなファミリー客には嬉しい配慮がなされています。冬休みに入ったら平日も混みそうなので、早めにまずは予約をしてしまうことをおすすめします。
コツ1 週末や休み期間に行くならとりあえず枠をおさえるべし。変更は1回限り可能。午前中など早い時間の方がゆっくりゆったり見られる。
激混みの週末。ストレスフリーで見るには?
さて、「毒」展鑑賞日当日です。晴れていて絶好の上野日和!国立博物館では「国宝展」が開催され、動物園では相変わらずパンダが大人気と、上野公園界隈もいつもよりさらに活気を帯びていました。
予約時間の11:30に入場すると、なかなかの混雑…。入ってすぐに、秘密結社 鷹の爪のアニメ映像による毒展のイントロダクションが流れています。息子はそれを見て大ウケで、完全に毒展にハートを掴まれていました。
いざ展示を見始めると人は多いのですが、意外と動きやすい。その理由は、列を作ってゾロゾロと見なくていい構成になっているからなのです。館内のスタッフの方々が「列に並ばずに見られますよ」と、適宜案内してくださるので、混んでいる展示を一旦諦めて、他の展示を見てから後で戻って見る、ということも可能。入り口の付近はそれに気づかず、最初から順を追って丁寧に見ようとする人が多いせいで、入り口付近に人が溜まって見えたようです。
ただ、構成上、別のテーマのエリアに行くと戻りづらくなっているので、その辺は要注意。1テーマごとに、見たいものは見ておくのがおすすめです。
コツ2 見やすい展示を優先してまわるべし。行列に並ぶ時間を最小限に抑えられる。
小学生は「QuizKnockからの挑戦状」をお忘れなく!
かなり本格的な展示内容で、大人もじっくり読み込みたくなるようなものもたくさんあります。その分、子どもには少し難しかったりするところも。また、たくさんの人の中で鑑賞するのに疲れたり飽きてしまったりというのも、子どもあるある。そこで救世主となってくれるのが、テレビやYouTubeでもおなじみ伊沢拓司さん率いるQuizKnockからのクイズです。
入口付近で配布されている会場マップの裏面が「QuizKnockからの挑戦状」となっていて、全部で10問のクイズが書かれています。大人でも全くわからない難解な問題もあって、その手加減のなさが小学生的にはより刺激になったよう。生き物の知識には意地のある息子はムキになりながらクイズを片手に回っていました。
一緒に考えたり、答えを展示から探しているうちに、私もかなり勉強できた気分に。ただ回るだけよりも理解が深まったり、見逃してしまいそうなところも注意を払ったりしていて、より立体的な体験になるので、ぜひお試しを。
挑戦状のプリントをよく見ると、「第二弾」と書いてあるので、定期的にクイズが更新されている様子。再訪したらまた違った問題にチャレンジするのも楽しそう。
また、音声ガイドは呪術廻戦の五条悟などをされている声優の中村悠一さんがナビゲーターを担当。うちは音声ガイドを聴きたがらないので利用しませんでしたが、館内には音声ガイドを真剣に聴きながら回っている子どもたちもたくさんいました。
コツ3 QuizKnockのクイズや音声ガイドを利用すれば理解もさらに深まる
「毒」展の構成は?
毒展の構成はこのようになっています。
1.毒の世界へようこそ 導入部
「秘密結社 鷹の爪」の映像が面白い。井沢拓司さん率いるQUIZ KNOCKからの挑戦状クイズもここで配布。
2.毒の博物館
生き物、植物、菌糸類、鉱物といった地球上のあらゆる毒を紹介するエリア。ハブとオオスズメバチ、イラガの幼虫の大型模型はその大きさはもちろん、精巧に作り上げられた細部の完成度の高さは必見です。
3.毒と進化
生き延びるために毒と共存したり、利用して進化してきた生き物の生態を紹介。自分で毒をもっているもの、他の生き物の毒を取り入れて利用するもの、毒への耐性をもつものなど、生き物の逞しさとしたたかさに感心してしまいました。
4.毒と人間
医療への利用や、除菌・殺虫、さらに狩猟から毒ガスまで、人間と毒の関わりの歴史についてに言及したエリア。考えさせられることも多く、じっくり見たくなりました。
5. 毒とはうまくつきあおう
前のコーナーの流れからさらに発展して、環境問題など地球の未来と毒との関係を示唆する内容。
見るだけで終わらない、「毒」展グッズをハンティング
一般的なハイライトは毒の博物館のエリアだと思います。大型模型をはじめとする展示物は見ているだけでも面白いですし、見応えがあります。ただ、他のエリアの本気度も素晴らしく、「毒」をあらゆる角度で見て、知ることができる内容は圧巻。読むところも多いのに、決して辛くなくエンターテイメント性が貫かれているのがさすがでした。
息子もかなり刺激されたようで、自分の知識を全開にしながら楽しんでいました。周りで見ている子どもの中には、小学校に入る前くらいの小さな子もいましたが、生き物が好きなようで真剣な顔で展示物を見ていたり、親子でいろいろ話したり、とても楽しそうに過ごしているのが印象的でした。
たっぷり見て、1時間半くらい。最後は息子が楽しみにしているグッズショップです。ベニテングダケやヤドクガエルなどの毒生物のぬいぐるみやキーホルダー、お菓子など独特なグッズがずらり。ぬいぐるみが欲しそうでしたが、絶対反対されるとわかっているので(置き場所に困るから)、毒生物が描かれたマグカップをお買い上げ。自分のお小遣いから出していました(エラい)。
私は博物館や美術館の特別展でほぼ毎回買っています。後からじっくり読めるのと、一般的に売られている書籍や図鑑とは全く違うユニークな構成なので魅力的なものが多いというのが理由。子どもにとっても、自分が見た展示を本で再度触れることでより深く知ることができますし、自由研究の際などにも役立つことも。
「毒」展の図録はこんな感じ。魔術書みたいな装丁がグッときます。中のページ構成も非常に凝っていてすごい読み応え。
開催期間は2023年2月19日まで。できればもう1回行きたいな、と思う充実の内容でした。
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